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東京下町 捌段崎町
(とうきょうしたまち・はちだんざきちょう)
 
Tokyo Downtown, Hachidanzaki-cho

 
 202
5 個人蔵)


画像公開いたしました。
(2025/09/04)

解説文を掲載いたしました。
(2025/09/08)

2009年の「東京下町の路面電車モジュール 其の1」、2014年の「東京下町の路面電車モジュール 其の2」以来、古い街並ものを制作していませんでしたが、約10年ぶりに小型レイアウトで制作した「東京下町 伍福屋町」(2024年)、「東京下町 陸華町」(2025年)、「東京下町 漆間坂町」(2025年)に続く作品です。 タイトルの「」は漢数字「」の旧字体です。 (「八段崎」の旧字体が「捌段崎」)
 
1923年(大正12年)の関東大震災後、昭和初期 頃の、東京の架空の下町の情景を場面設定としています。 震災後の復興期にあたる昭和初期は、建築物に耐震性・耐火性が求められていました。 明治期の煉瓦積みの構造ではなく、当時最先端の建設技術であった「鉄筋コンクリート造(RC造)」のオフィスビルが多く建ち始めた時期です。 外壁にはレンガではなく、タイルが多く用いられるようになったそうです。
レンガ積みの高架橋は、明治期に作られたという設定です。 神田駅〜御茶の水駅 沿線周辺のレンガ高架橋を意識しています。
 
建物・高架橋・T型フォード、A型フォード などは全てオリジナル設計によるフルスクラッチです。(レーザーカッター使用、データはCADによるオリジナル)

(Nゲージ、S=1/150 スケール)
(屋根瓦・街灯・電柱、人形など、一部にメーカー製素材使用)
本体とアクリルケースを含む大きさ:W 504 x D 307 x H 約240 mm
 

解説文を掲載しました(2025 /09 /08)

 「東京下町 捌段崎町」の建物について

東京下町 捌段崎町
(とうきょうしたまち・はちだんざきちょう)の走行シーン
2025年8月撮影

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回転画像 - 1(建物内照明外部照明 共に:OFF
回転アニメーション GIF -1カラー
Rotation Animated GIF 1Color

11.4 MB・700×441
回転画像 - 2(建物内照明外部照明 共に:ON
回転アニメーション GIF -2カラー
Rotation Animated GIF 2Color

8.4 MB・700×441

「東京下町 捌段崎町」の建物について

1923年(大正12年)の関東大震災後昭和初期 頃の、東京の架空の下町の情景を場面設定としています。 震災後の復興期にあたる昭和初期は、建築物に耐震性・耐火性が求められていました。 明治期の煉瓦積みの構造ではなく、当時最先端の建設技術であった「鉄筋コンクリート造(RC造)」のオフィスビルが多く建ち始めた時期です。 外壁にはレンガではなく、タイルが多く用いられるようになったそうです。
レンガ積みの高架橋は、明治期に作られたという設定です。 神田駅〜御茶の水駅 沿線周辺のレンガ高架橋を意識しています。

建物(ストラクチャー)は全て作者自作による型紙を使用して制作しています。

2025年(令和7年)9月8日 掲載

1:加藤商會ビルヂング
 
(かとうしょうかいびるでぃんぐ)

1931年(昭和6年)に完成(竣工)し、名古屋市 中区 に現存する「旧 加藤商会ビル」をモデルとしたオリジナル設計のストラクチャーです。 建物内部も少し作り込みました。
 

実際の「旧 加藤商会ビル」概要:
所在地: 名古屋市 中区 錦一丁目15-17
竣工年: 1931年(昭和6年)
構造: 鉄筋コンクリート造(RC造)地上3階+地下1階
設計: 名古屋市 住宅都市局 営繕部 営繕課 + 東畑建築事務所
国の登録有形文化財
 
 (「旧加藤商会ビル」Wikipedia

旧 加藤商会ビル」は、1931年(昭和6年)に株式会社 加藤商会 本社社屋(商社)として完成し、1935年(昭和10年)〜1945年(昭和20年)の間は、シャム国(現在のタイ王国)領事館も置かれていたとのことです。 現在(2025年現在)は、ギャラリーやタイ料理店が入っています。
 
構造は当時の最先端の建設技術であった鉄筋コンクリート造(RC造)で、外壁にはレンガ調のタイルや、テラコッタの柱頭装飾が用いられており、大正時代(1912-1926年)の建築意匠の特徴があるということです。 近年の改修工事の際に構造診断を行ったところ、戦火に耐え、竣工後数十年も経過した建物であるにも関わらず、現在の耐震基準をも満たす非常に強固な構造体だという確認ができたため、新たな耐震補強はほとんど必要なかったのだそうです。

旧 加藤商会ビル」は、昭和初期以降のモダニズムやアール・デコ建築の様式ではないと思いますが、とてもセンスの良い品格ある洒落たデザインで、個人的にとても好きな建築物の一つです。 実際の建物は、角地に建つ地上3階建て+地下1階の建物ですが、ここではその素晴らしいデザインを参考とさせていただき、地上4階建ての建物として、平面形状や規模を少しアレンジした上でご登場いただきました。
 
作品タイトルで「東京下町」と謳いながら「名古屋」に建つ建物を参考としましたが、伝統的な町家建築などと比べると、近代建築については地方毎によるデザインの違いや特色というものが希薄ではないかという判断のもと、今回の作品の参考とさせていただいた次第です。
 

2:食糧ビルヂング

東京都江東区佐賀1丁目にかつて存在した「食糧ビルディング」(1927年竣工の事務所ビル)がモデルです。 実際の建物はかなり規模が大きく、そのままモデル化するにはスペースが足りないので、かなり規模を縮小した形で作品にご登場いただきました。 建物内部も少し作り込みました。
 

実際の「食糧ビルディング」概要:
所在地: 東京都江東区佐賀1丁目8-4
竣工年: 1927年(昭和2年)
取壊し: 2000年(平成12年)
構造: 鉄筋コンクリート造(RC造)地上3階
設計: 渡辺 虎一

「食糧ビルディング」Wikipedia

実際の「食糧ビルディング」は、中庭(パティオ)が特徴の素晴らしいデザインの建築物でした。 構造は鉄筋コンクリート造(RC造)地上3階で、外壁にはレンガ調のタイルや、テラコッタの装飾が用いられていました。 
(大正時代(1912-1926年)の建築意匠の特徴ですが、この建物は震災後の復興期1927年竣工)
江戸時代より倉庫群があり浮世絵などにも多く描かれた「深川」の近くに位置し、米穀商などで賑わっていた界隈だったとのことです。

戦火を耐え、戦後も長らく事務所ビルとして機能していた建物だったとのことです。 1983年(昭和58年)11月からは3階の講堂に、今や伝説となっている現代美術の展示空間「佐賀町エキジビット・スペース」(小池一子 氏プロデュース)が開設され刺激的な現代アートの展示が行われましたが、2000年(平成12年)12月に建物が解体になるまでの17年間続いた後、歴史に幕を閉じました。
その後、2020年(令和2年)には 群馬県立近代美術館 にて「佐賀町エキジビット・スペース」の回顧展「佐賀町エキジビット・スペース 1983 - 2000 現代美術の定点観測」(会期:2020年9月12日〜12月13日)が行われるなど、同スペースの存在のインパクトは大きいものだったようです。

食糧ビルディング」は、「佐賀町エキジビット・スペース 1983 - 2000 現代美術の定点観測」展の図録解説文によれば、「南北に表と裏の入り口を広く取ったキャラバン・サライ型」とのこと。 これは、外観の特徴を指すものではなく、中庭を擁する平面計画上の特徴を言い表しているものと思われます。 キャラバンサライ(caravanserai)とは、ペルシア語で「隊商宿」を意味し、シルクロードなどの交易路沿いに作られた、隊商(キャラバン)の商人や旅人が宿泊する施設のことで、ラクダなどの動物の世話をする場所や商品を保管する倉庫も兼ねていたそうです。 中庭(パティオ)では荷物を広げたり、ラクダが休息を取っていたのでしょう。
キャラバンサライ Wikipedia
 

3:米問屋 あるいは 茶葉販売店(日本茶)

明治時代に建てられ、関東大震災(1923年・大正12年)を耐え抜いた黒漆喰の店蔵という設定です。
 

4: 相互無尽会社ビルヂング

東京都千代田区神保町にかつて存在した「旧 相互無尽会社 ビル」をモデルとしたオリジナル設計のストラクチャーです。 

実際の建物は角地に建つ、平面が長方形の建物でしたが、ここではそのシックな外観デザインを参考とさせていただき、レールの曲面に合わせた平面形状にアレンジしてご登場いただきました。  建物内部も少し作り込みました。
 

実際の「旧 相互無尽会社ビル」概要:
所在地: 東京都千代田区神保町
竣工年: 1929年(昭和4年)
取壊し: 2020年(令和2年)9月
構造: 鉄筋コンクリート造(RC造)地上4階
設計・施工: 安藤組(現・安藤ハザマ)
 
実際の「旧 相互無尽会社 ビル」は、関東大震災(1923年・大正12年)後の復興期1929年竣工で、戦火を耐え抜き、長らく金融関係の会社の事務所ビルとして機能していたそうですが、2020年に解体され91年の歴史に幕を閉じたそうです。
 
外観上の特徴は、外壁面に施工されたスクラッチタイル(表面をくしで引っ掻いた細い溝のあるタイル)で、近年のネット上の画像では、長く風雪にさらされ風合いを増した味わいある姿を拝見できます。 一部にはテラコッタの装飾があり、この建物も震災後の昭和初期の施工ながら、大正時代(1912-1926年)の建築意匠の特徴があります。 小規模ながら、気品のある佇まいの建物でした。 丁寧に作られ長い年月を耐えてきた文化財級の歴史ある建物がどんどんと壊されていくのは本当に残念です。
 

5:自動車

←左(5-1):T型フォード(FORD Model-T)

↓下3台(5-2):A型フォード(FORD Model-A)

5-1:T型フォード
T型フォード」(FORD Model-T)は、アメリカフォード社により世界で初めて大量生産された大衆向け乗用車として有名で、1908年(日本では明治41年)〜1927年(昭和2年)の間に1500万台以上が生産されたそうです。 1925年(大正14年)には、フォード社による組立て工場が 横浜 にでき「T型フォード」が製造されていたそうです。(組立て工場との事なので、アメリカで製造された部品を日本まで運び込み、横浜で組立てたものと思われます) ここでは、ボディーを黒く塗ったT型フォード3台にご登場いただいています。

5-2:A型フォード
A型フォード」(FORD Model-A)は 1927年に生産が始まった、「T型フォード」に代わる後継車種でだそうです。 旧車種よりエンジンの性能がアップして乗り心地が改善され、ボディーの形状や色にいくつかの選択肢があったそうです。(1932年まで製造) ここでは2ドアクーペ(赤と茶色のボディー1台づつ)とトラック1台(建物3の店蔵前で荷物の積み下ろし中)にご登場いただきました。 1927年といえば日本ではまだ昭和初期のころ(昭和元年/大正15年 = 1926年)、A型フォードはまだホッカホカの新車だったはずです。

当時の日本の古い画像資料のいくつかには、T型フォードと思しきクラシックカーが写っているものがあります。 T型フォードは大衆向け自動車とはいえ、当時の日本ではまだかなりの高級品だったものと想像します。 今見ると、何とも愛らしい姿です。
(20世紀初頭にはいくつかの国産自動車メーカー(ダイハツ、トヨタ など)が創業していたそうですが、本格的なガソリン乗用車の量産が始まったのは戦後との事)

T型フォード、A型フォード共に、画像資料を下敷きにCADデータを作成し、レーザーカッターで切出ししたものを組み立てたオリジナルです。
 

6:レンガ高架橋

レンガ積みの高架橋と鉄骨の高架橋は、明治期に作られたという設定です。 神田駅〜御茶の水駅 沿線周辺のレンガ高架橋を意識しています。

  • 路面電車が走る地面の楕円軌道のレールは「PECO フレキシブル線路(N用、W 9.5mm)SL-300F コード55」を使用しています。
     
  • 高架橋では「TOMIX レールFine Track)」を使用(140+99+72+140 = 計451mm) 同じTOMIXのレールを使えば、任意に延長可能です。 (給電用のコードを配線済み)
     

主な使用材料

  • スチレンボード(地面の高さ調整・3〜5mm厚・世界堂、東急ハンズ 扱い)
  • ボール紙(世界堂 扱い・約1mm厚・株式会社ORION 製「白ボール・A3」
  • イラストボード(1〜2mm厚、建物のベース、レールのベース)、
  • 瞬間接着剤
     
    (サラサラタイプ:Can★Do 扱い「瞬間接着剤 1g x 3本入・速乾タイプ」
     (中粘度:Can★Do 扱い「瞬間接着剤 2g x 2本入・多用途タイプ」
      その他
  • 木材(台座部分:ラワンベニア・シナベニア、アガチス単版)
  • 艶消しアクリル絵具ホルベイン・アクリラガッシュ
  • 地面の砂・石:モーリン製「リアルサンド」「Rストーン
     
  • アサヒペン水性ニス・マホガニー」(台座の仕上げ塗装) 他
     
  • 路面電車が走る地面の楕円軌道
    • PECO フレキシブル線路(N用、W 9.5mm)SL-300F コード55
    • 犬釘(篠原 HO N3 Spikes)
  • 高架橋では「TOMIX レールFine Track)」を使用(140+99+72+140 = 計451mm)
    • 同じTOMIXのレールを使えば、任意に延長可能。(給電用のコードを配線済み)
       
  • 照明:LED(3mm砲弾型、色数種) + CRD(E-153) + 560オーム抵抗 を1セットとして、計30セットほどを全て並列接続
  • 台座全面スイッチ:オルタネート、2系統(建物内部用、外部ライトアップ用)
  • 街路灯evemodel 製(LEDライト・L=30mm)、付属の1Kオーム(1,000オーム)抵抗、CRD(E-153)を1本毎に配線
     
  • アクリルケース(3mm厚・透明・押出し)
     
  • 販売の際の付属品
    • アクリルケース(3mm厚・透明・押出し)付属
    • 照明用のACアダプター(5V・2.0A)付属
    • パワーパック用 DCフィーダーコード N用 付属
      (TOMIX 5534 DCフィーダーNのレール側プラグ部分を別のプラグに交換したもの)
    • 車両パワーパック本体は付属しません。
       
  • 画像の車両は、「アルナイン」製のキットを作者が塗装・組立したものです。
    (車両は付属しません)

 

制作・撮影:山尾 比呂士 Yamao Hiroshi 2025
  (OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 Pro)
2025年(令和7年)9月4日 掲載
 
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山尾比呂士 Yamao Hiroshi
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